AGAの原因は、遺伝や男性ホルモンの影響が大きく関わっていると考えられています。
その他にも生活習慣、仕事によるストレス等がAGAの原因のひとつであるとも言われています。
遺伝による要因
まず、遺伝による影響ですが、家系的に薄毛になりやすい遺伝子を有する両親からは、高い割合でその子供(特に男性)に発症します。
遺伝子を調べることでAGAの発症の可能性を予測したり、最適な治療薬を選ぶことができます。
遺伝子を変えることはできませんが、自分の体質を知ることで予防や対策を早期に立てることが可能になります。
しかし、「遺伝していれば100%薄毛になる」という訳ではなく、AGAになる遺伝子が遺伝していた場合でも薄毛になることは70%~80%と言われています。
遺伝によるAGA発症よりも症例が多いのが、次の男性ホルモンによる影響です。
男性ホルモン「テストステロン」による要因
AGAの主な原因の一つとして男性ホルモン「テストステロン」が影響しています。
テストステロンは還元酵素である5αリダクターゼによって悪玉脱毛ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)という成分に変換され、毛乳頭細胞にある受容体と結合することで、髪の毛の成長を抑制し、細く抜けやすい状態となってしまいます。
還元酵素の5αリグターゼの量が多ければ多い人ほどテストステロンがDHTに変換されやすいため、AGAになりやすい傾向があります。
AGAによる脱毛箇所を検査すると、高濃度のDHTを確認することができます。
このDHTの影響によって、髪の毛の成長期が短くなり、ヘアサイクルの乱れが起こり、抜け毛・薄毛の症状となってしまいます。
男性ホルモン(テストステロン) ⇒ 還元酵素(5αリダクターゼ) ⇒ 悪玉脱毛ホルモン(DHT)
この悪玉脱毛ホルモン(DHT)は毛周期の「成長期」の毛髪に作用し、通常2年から6年ある成長期の期間を約数か月から1年という期間に短縮してしまう事がわかっています。
AGA発症までの流れ
・DHTの産生
↓
・毛髪の成長期の期間が短縮
↓
・長く太い「成長期」の毛髪が減少
↓
・細く短い「退行期」「休止期」の毛髪が増加
↓
・毛髪の脱毛、退行化・休止化による頭髪の密度低下
↓
・AGA
生活習慣による要因
生活習慣による薄毛への影響は、頭皮や毛根への血行・栄養を妨げるような要因が考えられます。
ストレスや喫煙は頭皮への血行を悪くします。
また、悪玉コレステロールが増えるような高脂血圧は毛細血管への血流が悪くなり毛髪(毛乳頭)の血行不全を招きます。
偏食や過剰な飲酒は髪の毛の成長に必要な栄養素が足りなかったり肝臓の機能が悪く、必要な栄養分を取り出せなかったりすることで発毛の妨げになります。
夜型の生活が続く場合も髪の成長を妨げる要因として考えられます。
AGAの原因になる悪い生活習慣を理解し、治療では可能な限り原因を取り除いていく事が重要です。